森林管理におけるグリホサートとは-よくある質問 by ForestInfo.ca

目次

Q:どの除草剤が森林植生管理で使用されますか?

A:カナダの林業で使用が登録されている除草剤の有効成分は5つあります。グリホサート、トリクロピル、ヘキサジノン、2,4-D、シマジンです。カナダの林業では、過去10年間に処理された森林面積の96%以上にグリホサート系除草剤が使用されています。

グリホサートの特許が切れてからは、複数のメーカーがこの化合物の様々な製品を製造しており、林業市場ではVisionMax、Forza、Vantage、Weed-Masterなどの商品名で販売されています。(Mihilovich et al. 2004)。これらの製剤はすべて、活性成分としてのグリホサートと、植物の葉のクチクラからの取り込みを促進するための界面活性剤を含んでいますが、各製剤の実際の化学成分は異なる可能性があります。

文中の青字*は翻訳編集コメントです。参考:グリホサートイソプロピルアミン塩グリホサートカリウム塩など、成分に関する情報)

グリホサートベースの除草剤がカナダや海外の林業や農業で主流となっている理由は次の図の通りです。(転載元の文章の代わりに、図にしました)

グリホサート系除草剤-主流の3つの理由
グリホサート系除草剤-主流の3つの理由

カナダの林業で使用されているものと同様のグリホサート系製品は、160カ国以上で登録・使用されており、小麦、トウモロコシ、大豆など100種類以上の陸生食用作物の生産に重要な役割を果たしています

グリホサート系除草剤の使用量は、農業用途が75%と大半を占めていますが、同じ除草剤は、住宅地の家庭菜園(15%)、工業用地の管理や通行権(6%)、そしてもちろん林業(4%)での植生制御にも重要な役割を果たしています。(Michael Cunningham, Engage Agro, personal communication)

(参考:グリホサート農薬抄録に関する情報)

 

転載元:

“WHICH HERBICIDES ARE USED IN FOREST VEGETATION MANAGEMENT?”, ForestInfo.ca

https://forestinfo.ca/faqs/which-herbicides-are-used-in-forest-vegetation-management/

 

Q: グリホサート系除草剤が重要な森林管理ツールであるのはなぜですか?

A:グリホサートなどの除草剤は、経済目的のための木材供給を維持する上で重要な役割を果たしており、また、森林景観全体の針葉樹、落葉樹、混合樹の適切なバランスにも貢献しています。

カナダの森林植生管理において除草剤が使用されるのは、一般的に針葉樹(トウヒやマツなど)が再生され、木材や紙、野生生物の生息地などの製品のために生育される場合に限られます。

伐採後、多数のパイオニア植物種(カナダブルージョイントグラス、ラズベリー、トレブリングアスペンなど)は、撹乱された場所や開放的な生育条件への侵入に適しており、栄養分、光、水、生育スペースを求めて若い針葉樹の苗を容易に凌駕します(Wagner他2001年、Balandier他2006年)。

隣接する植物との競争を減らすことは、作物の木の生存と成長に不可欠であり、家庭菜園の成功を保証する除草のようなものです。もちろん、家庭菜園とは対照的に、林業では規模が大きいため、手作業による除草は非常に非現実的です。除草剤は、針葉樹作物の生産において、最小限のコストで効果的かつ選択的に競争を減らすことができます。

(McDonald and Fiddler 1993、Wagner et al.2006、Newton 2006、Dampier et al.2006、Homagain et al.2011)

 

転載元:

“WHY ARE HERBICIDES AN IMPORTANT FOREST MANAGEMENT TOOL?”, ForestInfo.ca

https://forestinfo.ca/faqs/why-are-herbicides-an-important-forest-management-tool/

 

Q:製品(グリホサート系除草剤)が安全かどうかは誰が決めるのですか?

A:カナダ保健省は、カナダ国内の農薬製品を審査、登録、規制する法的権限を持っています。すべての農薬は、人の健康と環境に対する潜在的なリスクについて、国際的に認められた一連の科学的研究に照らして評価されます。(詳細はこちらのリンクからご覧ください)

(参考:グリホサート農薬に関するカナダ保健省の声明、グリホサート安全性に関する情報、グリホサート日本語における安全性に関する説明)

 

転載元:

“WHO DECIDES WHETHER A PRODUCT IS SAFE OR NOT?”, ForestInfo.ca

https://forestinfo.ca/faqs/who-decides-whether-a-product-is-safe-or-not/

 

Q:人間の健康へのリスクはありますか?

使用される除草剤の種類は用途によって異なりますが、ここニューブランズウィックで最も注目されているのはグリホサートです。

なぜなら、植生管理を行う林業の現場で広く使用されているからです。なぜ安全に使用できるかというと、非常に長い期間にわたって非常に広く使用されてきたからです。国際的に使用されて40年の節目を迎えたグリホサートは、毎年何千万エーカーもの面積で、100以上の国の何千もの場所で、多くの作物に使用されています。

40年間、さまざまな分野で、また工業用から農業用、家庭菜園用までさまざまな用途で使用されてきたことから、もし実際に使用に伴う有害な影響があった場合、どのような種類の影響が予想されるかがわかってきました。日常的な使用において化学物質への曝露を制限しようとする方法のために、一般的に予想されるような副作用は実際には報告されていません。 40年以上にわたって科学文献に重大な副作用が報告されていないという事実は、この製品を安全に使用できるという高い信頼性を示しています。

 

転載元:

“Is there a risk to human health?”, Dr. Len Ritter, Environmental Science Professor at the University of Guelph and Fellow of the Academy of Toxicological Sciences

https://forestinfo.ca/faqs/


文中の青字*は翻訳編集コメントです。
今回は、カナダにおける、森林管理に関するリソースや情報を共有するための産官グループである、「フォレストインフォ. カナダ」のホームページから、グリホサートに関する情報を翻訳編集しました。この機関は、森林資源の長期的な持続可能性を確保するために、研究し実践しています。科学的専門知識は、カナダ天然資源省の森林局(CFS)の科学者が、カナダの森林に関する研究を実施し、森林管理や政策、林業やまた一般市民を支援するために、科学的助言を実施しています。
カナダの緑豊かな森林は、グリホサート系除草剤など、除草剤の力で守られているのですね。人間や自然・動物に対する影響に関しても科学的研究が実施されていて、そのうえで除草剤を使用しているので、安心します。ネット上には、科学的根拠に基づかない情報が溢れていますが、正しい情報が多くの人に届きますようにと願うばかりです。

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