はじめに
草むしりしても生えてくる雑草。雑草との戦いが終わらない理由は、手で抜くと雑草の根が残ってしまうからです。そこで、完全に雑草の根を除去するためには、除草剤が最もいい対策方法でしょう。除草剤は玄関先や庭まわりのスペースの雑草取り、駐車場などさまざまな場所で使えます。雑草を除去することはダニや花粉対策の副次効果もあります。
最近、ネット上で除草剤は危ないなどの噂が流れ、偏った情報が広まっていますが、除草剤は本当に安全なのか、皆さん気になると思います。そこで、除草剤として名前がよく上がるグリホサート 除草剤の安全性について調べてみました。
グリホサート効果とは?
安全性を検証する前に、まずはグリホサートという除草剤について書いていきます。グリホサートは、除草剤の主成分の名前であり、いろんな除草剤製品の主成分となっています。農林水産省で農薬登録を取得済みの除草剤で、さまざまな原体試験に合格しています。
グリホサート剤には、さまざまな種類がありますが、枯らしたい雑草の葉にかけ、葉や茎からグリホサートが雑草に入って根まで枯らすため、手で雑草を抜くよりも確実に雑草が生えなくなるのです。 かけた雑草の根には効果がありますが、土中に浸透してもグリホサート分解により、周りの植物には影響がありません。かけた雑草だけにグリホサート 効果があるので、花壇のそばや庭木の隣でも気軽に使えます。
グリホサート安全性について
いくつかの観点から、グリホサートの安全性を検証していきます。
信頼できる!農林水産省の農薬登録
まず、農林水産省の農薬登録についてです。「農薬」と聞くと、農家が使うもの、また危ないというイメージを持つかもしれませんが、実は除草剤も農薬の一部なのです。「農薬」は国が科学的データの裏付けで使用基準を定めた製品なので、安心して使用できます。
現在、日本で売られている農薬は全て「登録制度」を通ったもののみが販売されています。試験内容は毒性試験、残留試験、環境への影響試験など、厳しい要件があり、これらの試験に合格するために、農薬の開発から販売までには数十億もの経費や10年ほどの時間が必要だと言われています。
「毒性学」とは?―グリホサート安全性の研究
では、農林水産省の農薬登録で採用された「毒性学」とは何でしょうか。毒性学とは、医薬品や化学物質が体に取り込まれ、吸収・分布・代謝・排泄のプロセスで、人体に毒性があるかどうかを見る学問のことです。毒性学による検証は、細胞から実験動物までさまざまな試験をおこなって人間への安全を確認しています。その中でも発がん性試験は厳しいものです。試験で得られた安全な量に係数をさらに加えて、人間にとっての安全な使用量を計算していきます。
この毒性学は、化学物質の安全性を検証する世界共通の方法で、もちろんグリホサート 安全性評価も毒性学的手法で実施されました。
ドイツ、カナダ、ニュージーランドなど世界の数多くの規制機関では、この毒性学的手法により人体への安全が確認された農薬や食品添加物にしか使用を認めていません。世界共通でグリホサート安全性が認められているので、安心してグリホサート 農薬(グリホサート除草剤)を使用することができます。
グリホサート成分は「普通物」に相当
次に、グリホサート除草剤の有効成分である「グリホサート」について調べてみました。グリホサートとは「アミノ酸」と「グリシン」と「リン酸」の誘導体です。グリホサートは「アミノ酸系除草剤」として分類されます。
内閣府食品安全委員会の資料によると、グリホサートとは、毒物及び劇物取締法上の普通物に相当するのだそうです。「普通物」とは毒劇物に該当しないものを指していう通称のことで、有効成分が普通物ならグリホサートも普通物にあたります。
よって、グリホサートは環境や野生の動物などに対する影響も確認されており、リスクは低いと評価されているので、世界の環境保全や森林保護にも広く利用されているのです。
土壌のグリホサート分解について
次は気になる土への影響を調べてみました。雑草にかからず、土に落ちた除草剤のグリホサート成分は、微生物により分解され、やがて消滅します。詳しく述べると、グリホサートはAMPA(α-アミノ-3-ヒドロキシ-5-メチル-4-イソキサゾールプロピオン酸)という物質に変化するのです。この物質は普通物であり、食品安全委員会が実施したグリホサート安全性評価においても、このAMPAの安全性は確認されています。
土壌におけるグリホサート分解は、条件によりますが、時間が経つにつれ減っていき、早ければ2〜3日、遅くとも60日後には半分になる言われています。
グリホサートの人間への影響
薬品や農薬を含めた化学物質などに対して一番気になるのは、人間への影響があるかどうかだと思いますが、グリホサートは人間への影響やがんを引き起こす直接的関係が見られないのです。もし、食品や水などにグリホサート農薬が残っていたとしても、それは「体に何の影響もない量」を基準にしているので、安全です。農薬は認可されている量や使用方法を守れば、安全なのです。もちろん、農薬そのものを飲むというのは普通だとありえないので論外です。但し、子どもやペットの誤飲などには注意し、製品のラベルに従って、安全に使用するようにしましょう。
まとめ
これまでのまとめは以下の通りです。
- グリホサートは葉や茎にかけた雑草だけに効果があるので、花壇のそばや庭木の隣で使用しても大丈夫。
- 農林水産省で「農薬登録」を受けた農薬は科学的データにのっとって認可されたものだから安全。
- 農薬登録で採用された「毒性学」的研究は世界中で使われている。
- グリホサートは普通物に相当する。
- グリホサートの有効成分は土に入った後、何日かかけてAMPA(安全性が確認されている物質)に分解される。
- 残留する農薬の安全基準が定められている。
以上のことから、グリホサート除草剤は安全に使用できるということがわかります。面倒な草むしりから解放されるため、除草剤を使ってみてはいかがでしょうか?