中国茶の日の由来は?
7月8日は「中国茶の日」です。中国茶といえば、日本ではウーロン茶やプーアル茶、ジャスミン茶などが有名でしょう。中国はお茶の発祥地とも言われ、数百種類のお茶が存在しています。体に嬉しいさまざまな効果のある中国茶。今回は、中国茶の歴史・種類・効能について掘り下げてみようと思います。
中国茶の日は、日本中国茶協会によって制定されました。中国と日本の平和友好が、お茶を通じて更に発展するよう制定された記念日です。中国語の「チ=7」と、日本語の「ヤ=8」の語呂合わせにより、7月8日になりました。
中国茶というのはお茶の銘柄ではなく、あくまで中国で作られたお茶のことです。一般的には発酵度により大きく6つに分かれ、それぞれ味や香りが全く違います。例えば緑茶は不発酵茶と呼ばれ、発酵過程を経ません。プーアル茶は、逆に6つの中で最も発酵度合いが高いでしょう。しかしどちらも同じ「中国茶」です。6つの分類については、後ほど詳しく解説します。
中国茶の歴史
中国茶には4000年もの歴史があると言われています。中国茶の起源については、正確なことはまだ解明されていません。しかし、中国には中国茶にまつわる伝説が残されています。それは、神農と呼ばれる農業の神様についてのものです。
神農がある日お湯を飲もうと木陰で休んでいるところに、お茶の葉が舞い降りてきました。お茶の葉は偶然、神農のお湯の中に入ってしまいます。そのお湯が素晴らしい味と香りだったことから、以後お茶が飲まれるようになったというものです。
歴史的な資料がなく、いつ頃からお茶を飲み始めたのかのも、まだ確定されていません。しかしお茶に関する記述のある最古の書物は、紀元前59年の奴隷売買契約書と言われています。三国時代(220~280年)以降、お茶は嗜好品として上流階級の人々に飲まれるようになりました。唐代(618年~907年)になると、お茶を飲む習慣は中国全土へと広がって行ったそうです。
中国茶の種類
数百種類もあると言われる中国茶は、その発酵度により大きく6つに分けられます。緑茶、白茶、黄茶、青茶、紅茶、黒茶です。どのお茶も同じチャノキから採れますが、発酵度合いの違いで味や香りに大きな差が出ます。
<緑茶(リュウチャ)>
中国で最大の生産量と消費量を誇るお茶で、もっとも有名な中国茶です。発酵をさせない不発酵茶で、茶葉は緑色をしています。
<白茶(パイチャ)>
最も古い歴史を持つ中国茶。茶葉を早い段階で採取し、発酵度が浅い段階で自然乾燥させます。マイルドな口当たりが特徴です。
<黄茶(ファンチャ)>
弱後発酵茶に分類され、中国茶の中で最も希少価値が高いお茶です。黄茶は荒茶製造工程中に軽度の発酵を行います。
<青茶(チンチャ)>
日本で有名なウーロン茶は青茶の一種。茶葉を発酵している途中で加熱することによって発酵を止めた半発酵茶です。
<紅茶(ホンチャ)>
茶葉を最後まで発酵させたお茶で、世界中で飲まれている紅茶の元祖になります。インドやスリランカで作られている紅茶と比べ、甘みが強いのが特徴です。
<黒茶(ヘイチャ)>
後発酵茶。麹菌の力によって発酵させた独特の製法によって作られています。日本でも知名度が高いプーアル茶は黒茶の一種です。
花茶(ホアチャ)とは
中国茶は上記のように、発酵の度合いにより大きく6つに分類されています。しかし最近ではこれに花茶(ホアチャ)を足して「7大茶」と呼ばれることも多いでしょう。花茶とは、お茶に花や果実をブレンドしたフレーバーティーのことです。最も人気がある花茶は、日本でも有名なジャスミン茶になります。
また、中国には日本の茶道のような工芸茶(茶芸)というものがあるでしょう。茶道とは違う方法になりますが、中国での祭典などではこの方法で飲まれています。
中国茶の効能
中国茶にはさまざまな有効成分が含まれており、体への良い効果が期待できます。
<中国茶の主な有効成分>
・テアニン(アミノ酸)
・カテキン(ポリフェノール)
・カフェイン
・クロロフィル
・タンニン
・ビタミン類
・ミネラル
などが挙げられるでしょう。
<中国茶の効果・効能>
・脂肪燃焼効果
・便秘の予防と解消
・アンチエイジング効果
・むくみやデトックス効果 など
お茶に含まれるカテキンは抗ウイルス作用もあり、ウイルスの増殖を防ぐ働きを持っています。また、中国茶にはカフェインが含まれているので、眠気覚ましにもなるでしょう。
暑い夏には緑茶や白茶を
中国には、私達が普段飲んでいる緑茶や紅茶以外にも、たくさんのお茶があります。その発酵度に応じて、体を冷やすお茶・温めるお茶があり、季節で飲み分けられているでしょう。これからの暑い夏には、体の熱をとる緑茶や白茶がおすすめです。