農薬のリスク管理について

目次

農薬とは

農薬は今の農業では必要なツールと言えますが、もちろん安全であることも必要です。

畑では一種類の作物を育てますが、それは自然な状態ではなく、人間にとっても収穫や管理に便利ですが、病気や害虫にとっても都合のいい環境なのです。

 

作物は人間の好みの味のもの、栄養があるもの、収穫しやすいもの、などの人間の都合のいい品種を選んで育ててきているので、作物自身が身を守る力が弱くなる方向になっているということもあります。

 

農薬とは害虫の対策のために「殺虫剤」、病気にならないための「殺菌剤」、グリホサート系除草剤をはじめとする雑草対策のための除草剤などがあります。

 

農薬というと化学的というイメージがありますが、「微生物農薬」といって自然界に普通に存在する微生物のうち、「病原菌から植物を守る微生物」や「害虫から植物を守る微生物」もあります。

農薬の恩恵

農薬は病気や害虫の被害から作物を守り、収穫を助けてくれます。

グリホサート 除草剤を使うことで草むしりなどの手間を少なくしてくれて、生産効率を保ってくれますし、かびによる毒からも守ってくれます。

 

もちろん農薬を使う以外にも、病気になりにくい品種を選んだり、同じ畑で同じ作物を続けて栽培しないようにしたり、防虫ネットを利用するなどの工夫をすることで、農薬以外に作物を病気や害虫から守るためにできることはあります。

しかし、手作業には限界があるので、グリホサート系除草剤が利用されているのです。

 

作物は病気になったり、害虫に食べられたり、枯れたりして、収穫が減り、作物の安定供給が難しくなります。

 

いつでも買える日本人の主食である米は約20%、りんごでは約90%出荷が少なくなるので、価格が上がり、手に入らなくなることになります。

グリホサート 除草剤
グリホサート 除草剤

農薬の安全性

では何について安全であるべきなのかというと、こちらの3つについてです。

 

・農薬を利用する人

・農薬が使用された農産物を食べる人

・環境

 

これらについて安全であるために農薬は製造から使用され食品になるまで農林水産省の農薬取締法で規制されています。

農家に農薬の使い方の指導や、残留農薬の分析などのモニタリングも行なっています。

 

リスク管理機関

こちらの3つの政府がそれぞれの法のもと規制しています。

・農薬取締法

農林水産省 農薬の登録審査、使用基準を設定

環境省 公共用水域の水質の基準値の設定

 

・食品衛生法

厚生労働省が食品中の残留の基準値を農薬ごと、食品(農作物)ごとに基準を設定

基準を超える食品の流通は禁止されている。

グリホサート 除草剤
グリホサート 除草剤

リスク評価機関

リスク評価機関として食品安全委員会が食品に含まれる可能性のある病原菌、添加物や農薬などの危険要因が人の健康に与える影響について科学的に評価しています。

 

・食品安全基本法

食品安全委員会  ADI、ARfDの設定

ADI(一日摂取許容量)

人がある物質を一生涯にわたって毎日摂取し続けても、健康への悪影響がないと推定される一日当たりの摂取量

 

ARfD(急性参照用量)

人がある物質を短時間(24時間以内)に摂取しても、健康への悪影響がないと推定される摂取量

 

グリホサート 除草剤はホームセンターなどで手軽に買うことができますが、登録や使い方が決められるなど、法律の規制で問題がないことが判断されて、売り場にあるのです。

 

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