様々な種類がある農業の主要3種を解説

目次

農業にはどんな種類があるの?

一般的に農業の仕事は、「耕種農業」「畜産農業」「アグリビジネス」の3種類に分類されます。 「耕種農業」と「畜産農業」は、自然の中で農畜産物を育てる仕事を指し、多くの人がイメージする「王道の農業」と言えます。 一方、「アグリビジネス」とは、耕種農業・畜産農業の生産者を支える農業資材・種苗メーカーなどの仕事や、生産者と消費者とをつなぐ流通・販売の仕事など、農業に関する幅広い仕事全体の総称です。

また、耕種農業、畜産農業、アグリビジネスの各分類の中でも、生産物やサービスによってさらに細かく業種分けが可能です。例えば、野菜の栽培を行う会社には、「生産職」だけでなく、自社の野菜をレストランなどに販売する「営業職」や「経理・事務職」なども必要とされます。

農作物に愛情を注いで育てる「耕種農業」とは

耕種農業とは、土地を耕して作物を育てる農業のことを指します。農作物を生産するためには、まずは土地の整備が必要で、農地の開墾、畝立て、耕運、肥料や農薬の施用などの作業が必要です。そして、種子の選定や栽培管理、収穫、貯蔵などの作業も含まれます。

種子の選定や栽培管理、収穫、貯蔵などの作業が伴う耕種農業

日本では、米、野菜、果物、花卉などが耕種農業の代表的な生産物です。農業においては、自然との共存が重要で、気候や天候によって収穫量や品質が左右されます。そのため、農作物の生産にあたっては、気象や地理、風土などの条件を考慮し、適切な栽培方法を選択する必要があります。

また、農業においては、農薬や化学肥料の使用が問題視されることもあります。そのため、有機農業や減農薬農業など、環境にやさしい栽培方法が注目されています。

耕種農業に携わる人々には、農業生産者、農業関連企業の研究開発職、技術者、販売職、流通業者、農業支援機関などがあります。耕種農業は、食料の安定供給をはじめ、地域の景観や文化、農村地域の活性化などにも大きく貢献しています。また、環境保全や地球温暖化防止など、地球環境の保護にもつながる重要な産業とされています。

命と向き合う種類の農業「畜産農業」とは

畜産農業は、動物を飼育してその肉、卵、乳製品などを生産する農業のことです。主に牛、豚、鶏などの家畜を飼育し、その肉や卵、乳製品を供給することが目的とされています。畜産農業は、人間の食糧に欠かせないたんぱく質源である動物性食品を供給する重要な役割を果たしています。

畜産農業には、飼育する動物の種類によって、牛、豚、鶏などの畜産があります。それぞれの畜産には、飼育方法や生産方法が異なります。例えば、豚の場合は、飼料や水の供給が十分でないとストレスを感じてしまい、病気にかかりやすくなります。また、鶏は生産量を増やすために、細胞飼育などの方法が用いられることもあります。

動物を飼育してその肉、卵、乳製品などを生産する畜産農業

近年では、畜産農業でも環境問題や食品安全性の確保などが求められるようになっています。畜産農業は、食糧生産において欠かせない役割を持っています。しかし、環境問題や食品安全性の問題もあるため、持続可能な農業を目指して、より良い畜産方法の開発が求められています。

農業の全てに関わる「アグリビジネス」とは

アグリビジネスとは、農業をビジネスとして展開することを指す言葉です。農産物を生産するだけではなく、生産から加工、流通、販売までを一貫して行い、収益を上げることが目的となります。

アグリビジネスには、農業資材や種苗の製造・販売、農産物の加工、販売、流通などが含まれます。農業の現場で必要な機械や農薬、肥料、種などの資材を製造し販売することもアグリビジネスの一つです。また、農産物の加工を行うことで、生産者が作った農産物をより多くの人に届けることができます。

アグリビジネスには、農業の生産者を支援するだけでなく、飲食店やスーパーマーケットなどの顧客として、農産物を販売することも含まれます。また、観光農園や体験型農業施設の運営もアグリビジネスの一つです。

アグリビジネスは、農業を単に食料を生産するだけの産業としてではなく、収益を上げるビジネスとして捉え、産業としての発展を目指しています。今後、農業の国際化や市場のグローバル化が進む中、アグリビジネスはますます重要な役割を担っていくことが予想されます。

農業とひとことに言っても様々な種類、分野がある

さらに、食品ロス削減のための取り組みや、農業における環境保全や地域活性化に関する取り組みなど、社会的な視点からの仕事も存在します。これらの取り組みは、農業が担う役割が多様化していることを示しています。生産者や流通業者、加工業者、消費者など、多くの人々が関わり合うことで、私たちの食卓に豊かな食材が届けられています。

 

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