2022年は5月21日〜6月5日が小満
「小満(しょうまん)」は、夏が始まり梅雨入りする前までの時期を指します。あらゆる生命が太陽の光を浴び、すくすく成長していく季節でもあります。「小満」には一体どのような意味があり、実際いつごろを指すのでしょうか?本記事では、二十四節気における小満の意味や由来、どのような季節か、また時候に合わせた旬の食材についても解説します。
小満を含む、「二十四節気」について
二十四節気とは、太陽が地球を一周する日数(一太陽年)を二十四等分し、それぞれの期間に季節の変化を表す名前をつけたもの。
古来、中国の帝たちが農作業の目安になるよう、太陽の動きを基準に一年の季節の移り変わりをわかりやすくするために作られました。一節気は15日単位ですので、基本は360日となりますが、実際は閏(うるう)などで調整して用います。「夏至・冬至」の二至と「春分・秋分」の二分を合わせて二至二分といい、「立春・立夏・立秋・立冬」を四立、二至二分と四立で八節といいます。
小満とは
小満は、二十四節気の立夏(りっか)と芒種(ぼうしゅ)に挟まれた梅雨入り前の時期で、作物が成長するもののまだ収穫はできない時期を指しています。秋にまいた麦の種が穂をつけ、農家はほっとひと安心する頃。作物が満ち満ちてくることから小満と名付けられました。万物が次第に成長し実をつけはじめる時期であり、暑さも感じられるようになり、田植えの準備がはじまります。
温暖化の影響もあってかこれまでの体感温度とかなり変わってきてしまったため、近年では「衣替え」の時期でもあります。また洋服だけでなく、部屋の衣替えにも最適な時期です。厚手のカーテンを麻製のものやすだれなどに変えたり、暖かい絨毯もさらっと気持ちのよい素材に変えたり。テーブルの上も食器やランチョンマットを涼しげなものに変えて来る季節に備えましょう。
小満には旬の食材をいただこう
小満に旬を迎える食材には「びわ・アスパラガス・メロン・さやえんどう・夏みかん・鯵・鰹・めばる・甲イカ・ウニ・さざえ・真ダコ」等があります。
中でもこの時期旬のフルーツは、女性に特に嬉しい「抗酸化・抗老化」作用のあるものが多く、積極的に食べたいものばかり。旬の主なフルーツと効能は次の通りです。
ビワ:βカロテンを多く含んでいます。βカロテンは体内でビタミンAに変換され、髪や肌を健やかに保ち、喉や肺など呼吸器を守る働きがあります。また、ビワに含まれるポリフェノールには、体内の活性酸素を取り除き、細胞の老化や生活習慣病の予防や改善に効果があると言われています。
夏みかん:1個で1日に必要な量のビタミンCを摂取できます。ビタミンCの抗酸化作用によって、老化の原因となる活性酸素を除去できるため、老化防止に役立ちます。また、ビタミンCはストレスに対抗する副腎皮質ホルモンの合成を促してくれるため、ストレスにより肌の調子が悪くなっている人はぜひ夏みかんを食べてみてください。
メロン:赤肉メロンにはβカロテンが多く含まれています。抗酸化作用があるため、しみやシワ、たるみなど酸化によって引き起こされる肌の老化を予防できるそうです。さらにカリウムは塩分を排泄する働きがあり、高血圧やむくみが気になる人におすすめの栄養素です。
5月末~6月頭の美しい季節の表現はほかにも
七十二候とは、二十四節気をさらに約5日ずつの3つに分けた期間のことを指します。各七十二候の名称は、気象の動きや動植物の変化を知らせる短文になっているのが特徴。
「小満」に含まれる七十二候は次の通りです。
- 初侯 5月20日〜5月25日頃「蚕起食桑(かいこおきてくわをはむ)」
蚕が、桑の葉をたくさん食べて成長する頃。 - 次侯 5月26日〜5月30日頃「紅花栄(べにばなさかう)」
あたり一面に紅花が咲く頃。 - 末侯 5月31日〜6月4日頃「麦秋至(むぎのときいたる)」
麦が熟し、たっぷりと金色の穂をつける頃。
またこの時期を「走り梅雨」と呼んだりします。「走り」は「先駆け」という意味があり、梅雨入りするには少し早い5月中旬から6月上旬にかけて、本来の梅雨に先駆けて梅雨を思わせるような天気が続くことをいい、「迎え梅雨」や「梅雨の走り」と呼ぶこともあります。
小満の語意を知り、季節を知ろう
二十四節気、七十二候のそれぞれの語意を知ることで、季節をからだで感じることができ「この季節の旬の食材はなんだろう」「食べると気持ちもからだも調子がいい」そんな発見があるかもしれません。上手に日々の献立に取り入れて旬の食材を味わい、心も体も健康に過ごせるようにありたいものです。