日本 農業の特徴である「集約農業」とは

目次

集約農業とは

単位面積当たりの資本と労働力の投下量が多い農業を「集約農業」と呼びます。

日本の農用地は国土の13%です。そして、農家1戸あたりの経営耕地面積は約1.8haで、アメリカの農家1戸あたりの大きさと比べると、100分の1以下です。つまり、世界的に見て日本の農地は大きくないということが分かります。

狭い農地で多くの人手と化学肥料により展開される集約農業が日本の農業の特徴です。

集約農業の反対は、「粗放農業」です。単位面積当たりの資本と労働力の投下量が少なく、自然の力にまかせる農業を意味します。アメリカ、カナダ、アルゼンチン、オーストラリアなどで行われる農業で、これらの国々は農業機械の力に頼る大規模な方法で粗放農業を行っています。

化学肥料の使用が特徴的な日本 農業。化学肥料や化学農薬って本当に悪者?

日本 農業で使われている化学肥料の量は世界的に多いと言えるでしょう。日本の化学肥料使用量を100とした場合、イギリスは80、ドイツは61、フランスは53とされています。

化学肥料とは、無機質の原料を化学的手法にて加工、または製造された肥料の総称です。化学肥料は保管しやすいため、現代農業の肥料の主流となっています。化学肥料にはたくさんのメリットがあります。

<化学肥料のメリット>

  • 肥料の効き目が早い
  • 有機肥料よりも収量が多い
  • 単価が安い
  • 肥料効果が高い
  • 臭いが少ない
  • 安定した生育

化学肥料は科学的手法で作られているために、敬遠すべきとする考えがあります。これは農業分野において化学肥料のみならず、化学農薬にも同じことが言えます。

しかし、本当に化学肥料や化学農薬が危険であると言えるのでしょうか。化学肥料や化学農薬は、日本の厳しい検査に合格して市場に出回っています。

化学農薬が成分となる除草剤や殺虫剤等も、使用方法を守れば健康に悪影響はありません。

化学肥料はあくまで肥料であり、植物の生長を助けたり促進するだけのものです。化学肥料を使用した野菜を摂取したことで、健康に害が出ることはありません。

化学薬品を頭ごなしに悪者にして不安だけを煽るような、「アンチ化学薬品製品」説に惑わされず、真実を知ったうえで安全性について考えることが大切です。

化学肥料は集約農業の強い味方

日本の集約農業は大規模農業に変わるのか

集約農業は日本の農業の特徴として、長期に渡り続けられています。しかし、集約農業には多くの労働力を投下しなければならない点が、日本の農業従事者の高齢化や後継者不足で悩む日本にとって合理的ではありません。そのため、日本の農業の「大規模化」を進めるべきとする考えと、集約農業を続けるべきという考えで意見が割れています。

大規模農業のメリットにはこのようなポイントが挙げられます。

<大規模農業のメリット>

  • 生産効率が高まる
  • 生産にかかる費用が下がる
  • 面積あたりの作業労働時間が減少する

集約農業を続けるべきであるとする考えの人は、日本では大規模農業のメリットを十分に活かせないとしています。その理由は、日本の農地面積の4割を「中山間地域」が占めていることです。中山間地域とは、平野と山の間の地域のことです。山ほどの急な斜面ではないものの、平野ではないため使用できる農業機械が限られてしまいます。そのため、農業の効率化が難しいことが懸念事項です。

また、大規模農業への移行には、莫大な費用がかかります。新しく導入する農業機械への投資や販売のための作業時間の増加は避けられません。大規模農業を実現させて売り上げや利益が上がったとしても、必ずしも実収入が上がるわけではないという点も懸念されています。

大規模農業に多い、農業機械を多く使う方法は日本の農地に不向き

日本 農業の今後の形態。オランダの例を参考に考えてみよう。

集約農業を続けていくのか、大規模農業に切り替えるのかの意見に分かれていますが、農業形態の選択肢がこの2つしかないわけではありません。新しい農業形態で成功している国として紹介したいのが、オランダです。オランダの面積は、九州とほぼ同じです。しかし、その農作物輸出額は世界2位。アメリカに次ぐ食糧輸出大国として知られています。オランダ 農業が強い理由は、「スマート農業」。

オランダでは約8割の一般農家でスマート農業を展開し、労働力の投下を最小限に抑えています。スマート農業では、主にシステムで湿度や温度、光量、二酸化炭素の管理をしています。これらは、特にハウス栽培で活かせる手法です。時に気候条件の悪い日本で、ハウス栽培は有効とされる方法であり、これにスマート農業が加われば日本 農業にとって強い味方となるでしょう。

農業形態の見直しが世界の食糧問題改善に繋がる可能性も

日本のこれからの農業形態は、早急に解決すべき課題です。しかし、それ以前に、農作物を他国に頼らなければならない国も存在します。アフリカ諸国はそれが原因で、食糧危機や飢餓の問題に直面しています。日本の農作物生産量が増加すれば輸出量も増えて、農作物生産が難しい国々を救うことができるでしょう。

また、日本の農業技術は世界的に評価されています。この技術を何らかの形で世界に広めて、各国が自給自足できる状態にすることが世界の飢餓削減に繋がるかもしれません。

 

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