日本の現代農業の問題点とは?高齢化・食料自給率・耕作放棄地など

目次

現代の農業の特徴

現代の日本の農業は、稲作中心です。国土の約70%を森林が占め、農用地の割合は約13%にとどまっています。この13%のうち、半分以上が田んぼです。農家1戸あたりの経営耕地面積の全国平均は約1.8haで、アメリカの農家1戸あたりの1/100以下でしょう。狭い農地で多くの人手と化学肥料を使った集約農業が、現代日本の農業の姿といえます。

日本の農業の特徴は3つあります。1つ目は、国土がせまいため、農業の規模も小さいということです。2つ目は機械化されていること。最近では、田畑を耕したり、田植えの際には機械を使うことが多いでしょう。とはいえ日本は平野が少なく、中山間地域は傾斜が多く、大型の農業機械を使うのは困難です。3つ目は、輸入農作物に比べると、国内の農作物は値段が高いということ。土地が狭いので、海外のように大規模な大量生産はできないのです。

大量生産はできないものの、国内では様々な工夫をして高品質の農作物が生産されています。1年間に2度同じ作物を作る「二期作」や、1年間に2度違う作物を作る「二毛作」などです。優れた品種を作るための品種改良も行われています。また、干拓で新しい土地を作ることもあるでしょう。干拓とは、浅い海や湖を閉め切って水を出し、新しい土地を作ることです。その土地は農地や牧草地などに利用されます。

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狭い土地でも工夫しながら農業を行う

現代の農業が抱える問題①食料自給率の低下

日本の農業が抱える問題の1つが、食料自給率の低下でしょう。食料自給率とは、国内生産した食材で、どの程度の食料消費をまかなえているかを示す指標です。食料自給率は、熱量で換算する「カロリーベース」と、生産額で換算する「生産額ベース」があります。日本では、このどちらも長期的な低下が続いているのです。

カロリーベースでの食料自給率が100%を超えているのは、カナダ、オーストラリア、アメリカなどです。カナダは255%、オーストラリアは233%、アメリカは131%になります。これに比べて、日本は38%です。

食料自給率が低いと、様々な問題が起きる可能性があります。例えば、輸入の問題が挙げられるでしょう。自給率が38%ということは、食料の62%は輸入に頼っているということになります。輸入先の国との関係が悪化したり、あるいはその作物が不作だった場合、輸入ができなくなる可能性があるということです。もし輸入できたとしても、価格は間違いなく高騰するでしょう。それだけでなく、輸入先の国での自然災害や家畜疾病の流行、政情不安や感染症の流行などが考えられます。食料を輸入に頼るリスクは高いでしょう。

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輸入農作物に比べると、国内の農作物は値段が高い

現代の農業が抱える問題②高齢化による担い手の減少と離農者の増加

日本の農業は、人手不足も深刻な問題になりつつあります。農業は少子高齢化の影響を受けやすく、さらに後継者不足と新規就農者の減少も追い打ちをかけているのです。数字で見ると、国内の農業就業人口は2010年で約260万人でしたが、2019年には約168万人に減少しました。9年の間に、およそ92万人も減少しているということになります。

また、就農者の高齢化も進んでいます。農業就業人口のうち65歳以上が占める割合は、2010年では約62%でしたが、2019年では約70%へ上昇しました。

新規就農者数も減少傾向にあります。また、新規就農者の離職率の高さも気になるところでしょう。新規就農した人のうち、3年目までに3割以上の人が離職しています。

現代の農業が抱える問題③耕作放棄地の増加

耕作放棄地の増加も、なかなか改善されない深刻な問題です。耕作放棄地というのは、農林業センサスのアンケートで用いられている言葉になります。「以前耕作していた土地で、1年以上作付けされる予定がなく、数年内に作付けの予定がない」土地のことです。

耕作放棄地の面積推移を見ると、1990年は21万7,000haだったのが、2015年には42万3,000haになっています。耕作放棄地の増加の原因は、農家の高齢化や後継者の不在により、農地をただ保有しているだけになっていることでしょう。耕作放棄地は、一度荒廃してしまうと農地に戻すことは困難です。また、荒廃することで雑草が生い茂り、病害虫の発生源となる可能性があります。除草する人がいなければ、地域の自然環境や、周囲の農地に悪影響が出る場合もあるでしょう。

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日本での主食としての米の消費量は年々減っている

日本の農業は緩やかに衰退している

日本では、主食としての米の消費量は年々減っており、小麦(パンや麺類)の消費量が増えています。そのような日本人の食生活の変化もあり、日本の農業は緩やかに衰退して行っているのです。食料の多くを輸入に頼るのはリスクが高いでしょう。国内自給率を上げるため、全国で様々な取り組みがされています。日本人として、農業に関する問題をより深刻に捉える時期が来たのかもしれません。

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