日本の地方移住者の推移
日本では、コロナ禍によりテレワークが普及したことで、地方移住の動きが増えています。在宅で仕事をする人が多くなり、自宅で仕事をするためのスペースが必要になったからです。外出自粛の影響もあり、家族全員が家にいることも多くなりました。そのような状態で仕事をするというのはなかなか難しいでしょう。
そんな社会情勢の中、より広い家に引っ越しをしたいというニーズが生まれました。しかし家賃や地価が高い都心部では、簡単に広い住居へ移ることはできません。そこで、郊外や地方に移住する人が増えて来ているのです。
2020年以降は、東京都への転入超過が大幅に縮小しました。東京都の2020~2021年上期の転入者は約70万人です。2018~2019年の上期は75万人でした。ということは、この間に転入者は5万人ほど減少したということです。
一方、2020~2021年上期の転出者は約64万人でした。2018~2019年の上期が約60万人だったので、転出者は約4万人増えているということになります。
地方移住で住みやすい場所とは?
地方移住を考えたときに、まず考えるのは「利便性」ではないでしょうか。生活をする上で、食材や生活必需品などの買い物は必須です。近くにスーパーやドラッグストアがないと生活できません。また、通勤・通学のために「公共交通機関が充実しているかどうか」も重要でしょう。
では地方移住で住みやすい場所とは、どんなところでしょうか?
①都心部に近い
美術館やイベントなど、都心部にしかないものが趣味の場合、都心部になるべく近い場所がいいでしょう。都心部へのアクセスが良ければ、買い物やお出かけも充実します。また、あまり田舎に移住してしまうと、町に診療所しかないかもしれません。大きな総合病院へもアクセスできる場所だと安心できるでしょう。
②交通機関が発達している
東京から地方へ移住しても、新幹線が通っている県なら東京都心部への往来も可能です。空港が近ければ、旅行などにも行きやすいでしょう。駅から遠い場所では車が必要になるため、コストがかかります。
③自然が豊かで商業施設もある
移住を考えている人の中には「自然が豊かな田舎に住みたい」という人も多いでしょう。山や川に囲まれて暮せば、仕事のストレスも緩和され、健康的な生活が送れそうです。しかし、食材や生活必需品の買い物は便利でないと困ります。自然が豊かで商業施設もあるような地方都市や、ベッドタウンがいいでしょう。
地方移住先として人気の都道府県は?
地方移住先として人気の都道府県をご紹介します。
<静岡県>
東京から近く、移住支援制度が充実していることから、静岡県は移住先として人気があります。家賃相場が安い上に土地も広く、コロナ禍の移住先としてもぴったりでしょう。平日はテレワークをし、週末は自然を使ったアクティビティなどで大自然を満喫できます。
<福岡県>
福岡県は適度に都会でありながら、自然が豊かな県として人気です。駅周辺の開発や商業施設の建設なども進んでおり、交通網も発達しています。娯楽施設やお出かけスポットも多数あり、休日も退屈することはないでしょう。
<沖縄県>
年間を通して温暖な気候で、冬でも過ごしやすい沖縄県。観光先として人気ナンバーワンを誇ります。本土とは違う独自の文化や自然に惹かれ、移住先として選ぶ人も多いでしょう。ただし家賃や物価はそこまで安くはありません。
地方移住で注意すること
地方移住で注意した方が良いことは、就活が難しくなるということです。地方へ移住して転職した場合、年収は3~4割減ると言われています。そもそも求人自体が少ないため、就活で気に入った仕事を見つけるのは大変でしょう。その点、テレワークを採用している企業なら、場所に左右されない働き方ができるので安心です。
また、地方で生活する場合、車がないと生活に支障をきたす可能性は高いです。家族で移住する場合は、車は一家に1台ではなく、1人1台必要かもしれません。ガソリン代や車検代など、車の維持費にかなり費用がかかるでしょう。
地方は土地代や家賃は東京に比べて安いです。しかし、それ以外の物価は首都圏とあまり変わりません。寒い・暑い地域に住む場合は光熱費も多くかかります。地方移住はメリットとデメリットを考えた上で決断しましょう。
加速しそうな地方移住
日本では東京への人口集中を解消すべく、地方移住を推進しています。大自然に囲まれて暮せば、ストレスも減り健康的に過ごすことができそうです。就活など仕事の問題がなければ、実現したいという人は多いでしょう。コロナ禍によりテレワークを採用する企業が増えたことで、地方移住はこれから加速していくのではないでしょうか。