小さな国土で世界第2位の農業大国オランダ!その秘密とは?

目次

農業大国オランダってどんな国?

オランダは農作物輸出額がアメリカに次いで世界第2位という農業先進国です。国土面積はわずか415万ha、これは日本の九州とほぼ同じくらいの面積で、国土の 4 分の 1 が海面より低い干拓地、最高 地点も 322mとほぼ平坦な地形が特徴です。農作物は花き類(チューリップ球根等)、てん菜、ジャガイモ、玉ねぎ、トマト、きゅうりパプリカ、生乳、豚肉などで、施設園芸と酪農・畜産が盛んです。

けして広い面積とは言えない土地と、日照時間が少なく、痩せた土地も多いなど、農業に恵まれた土地とは言えないオランダがどうしてアメリカに次いで世界第2位の農業大国になれたのでしょうか?

オランダ農業を強くしたスマート農業(スマートアグリ)

オランダ農業の最大の特徴は、やはり何といっても最新鋭のICT技術を用いたスマート農業が挙げられます。約8割にものぼる一般農家で、自動制御システムを搭載し、湿度や温度、光量、二酸化炭素などをセンサー管理しています。コンピュータで制御・調整を行うというテクノロジー化する事で、人件費を押さえ、天候にも左右されにくいというシステムです。

EU有数の港、ロッテルダム

また、地理的にも有利な条件があり、ライン川河口部のロッテルダム港等の海運を有しているという地理的条件に加え、EUという巨大市場と陸続きで、関税もかからずに販売できるというのが大きな利点です。

北海油田で安価な天然ガスが採掘されるため、これを活用してコストを抑える事ができるという点もあります。当然、自動化には初期コストが大きくかかりますが、農地の集約・大規模化する事で最大利益を生み出しています。栽培品目をできるだけ絞り、少ない品目にする事で集中して大量生産ができるのです。

トマトやパプリカなど、施設による労働集約型の栽培が容易で、かつ高収量が可能な品種に限定・特化して生産が可能です。

オランダ農業を支える経営と流通の仕組み

テクノロジー化は農作物の生産にだけ使われているのではありません。制作物を販売する為の「流通・人材」と、「経営」の仕組みもオランダが農業大国になった理由に欠かせないキーワードです。

流通と人材

流通・販売の上で欠かせないのがクラウドサービス。クラウドサービスでの作物の流通や販売ルート管理はなくてはならないものです。また、農業というより工場に近いオランダでは人材のシェアリングについても社会インフラとして設備されており、人材派遣会社などに所属して必要に応じて派遣される、という仕組みができています。

経営

日本と違い、オランダでは政府による補助金制度がなく、自由競争となります。その為、投資を得る為に事業計画の作成や、計画通り事業が進んでいるかどうかの定期的な審査をクリアしなくてはなりません。

こういった背景から、オランダで農業を成功させる為には優れた経営能力を身に着ける必要があります。

また、毎年何かに投資する事で税金が安くなるという仕組みもあり、設備投資等を行うという、常に新しいチャレンジを続ける事も求められてきます。

環境問題に直面するオランダの農業

オランダ農業が抱える問題

そんなオランダ農業も良い点ばかりではありません。オランダ農業は現在環境問題が大きな問題となっています。農業、酪農・畜産が大きく発展しているオランダは、諸国に比べて窒素排出が多く、EUの窒素許容値を長年オーバーしてきました。世界第2位の農産物輸出国ともなれば、仕方のない事ではありますが、だからと言って今のままの窒素排出量のままで良いわけでもありません。

オランダは今窒素排出量を2030年までに50%削減するという目標に向けて、様々な取り組みを行っています。その一つがグリホサート系除草剤等を雑草対策にあてるというもの。従来の農業では、耕運機での耕す事や、化学肥料を大量投入する事が必要でした。その為、ガソリン消費による温暖化ガスの発生や、余剰の肥料が亜酸化窒素等温暖化ガスとして発生してしまう等の問題がありました。そんな中で現在注目されているのが、グリホサート系の除草剤を使用した不耕起栽培です。グリホサート系除草剤は植物に吸収された後、植物独自のアミノ酸を合成する代謝経路を阻害して植物を枯らす、というもので、人や動物への影響が少ない事が特徴です。

オランダの農業の今後

日本の農業のイメージとは大きく違い、どちらかというと工場やIT企業のようなイメージを受けるオランダ農業。テクノロジーが進み、より効率的に、最大限の生産量を生み出す事が可能となりましたが、どんな事にも問題点はあります。世界第2位の農業大国オランダが、今後どのような対策を取っていくのか、世界の注目が集まっています。

 

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