土壌改良の方法とコツ:良い作物は良い土から

目次

土壌改良はどうして必要なのか

耕作に不適な土壌を改良し、菜園の生産力を増進させるために、土地に資材を投入して土壌の理化学性と生物性を改良することを「土壌改良」といいます。

自然土壌を農地として人間が利用することで、 現在の農耕地土壌がありますが、農耕地土壌が充分な生産力を発揮するためには、土づくりが欠かせません。土づくりとは土壌の環境を改善し、作物が必要とする養分や水分をバランス良く十分に供給できる能力、すなわち「地力」を高めることで土壌が持つ作物生産力を維持・向上させる ことです。毎年気象状況が変化し、近年は温暖化による熱帯化が農業従事者などを悩ませています。天候については、どうする事もできませんが、気象変化に対応できる土作りをし、より良い成果を上げる必要があります。

土壌粒子と有機物の固体でできているものを「固相」、粒子間の孔隙部分にある水分と空気をそれぞれ「液相」・「気相」、これらを総称して土の「三相」と呼びます。この「土の三相」が理想分布になっているものが良い土の条件です。土壌により多少異なりますが、固相(40%)・気相(30%)・液相(30%)が理想とされています。

土壌改良材とは

土壌改良が重要なことはよく知られていますが、土壌改良に用いる資材の種類、特性と選び方については知らない方も多いのではないでしょうか。土壌改良材とは、肥料の目的が作物に養分を与えることであるのに対し、耕作に適した土壌をつくるために、土壌の性質を変える目的で用いられる資材を指します。

土壌改良
土壌改良で農産物の生産性も向上

土壌改良材を使った土壌の性質改善の目的は「生物性の改良」、「化学性の改良」、「物理性の改良」の3つに大分されます。また土壌改良資材は、主に有機質資材、無機質資材、普通肥料、高分子化合物の4つに分かれます。土壌改良資材としては、落ち葉堆肥やバーク堆肥など植物残さを材料とする各種の堆肥や、もみ殻の炭を使ったものなどがよいでしょう。

生物性に優れた土壌は、土壌内の微生物、虫や小動物などの数や種類のバランスがとれており、病害虫被害の原因となる有害微生物の数が抑えられ、作物の生育が促されます。また、土壌中の微生物によって、投入された有機質肥料の分解・腐熟が進みやすいこともメリットです。土壌の微生物の活性が低下している主な原因としては、連作や土壌中の有機物含量の低下が考えられます。

土壌改良のコツ

では、土壌改良の手順とそのコツを見ていきましょう。土地が大きいほど、土作りも専門の道具が必要です。ですから、まずは必要な面積だけ土壌改良を行いましょう。また、しばらく作物を作っていなかった畑も、同じように土壌改良が必要です。

土壌改良
土壌改良に大切な複数のステップ
  1. 異物を取りのぞく:石や植物の根っこ、粘土のかたまりなどの異物を土を掘って取りのくことが第一歩です。これが「開墾(かいこん)」作業です。植物の根が取り除きづらいときは、除草剤を使うと便利です。
  2. 肥料を混ぜる:庭の土はそのままでは栄養が足りないので、肥料を混ぜて栄養を加えます。肥料を加えると微生物が増えて土が適度な硬さになり、保水性や排水性、通気性が改良されます。肥料を入れてもすぐに野菜は植えられません。2~3週間ほどまって土の中に微生物を繁殖させましょう。
  3. 土の酸性度を調整する:野菜はやや酸性よりの中性を好むものが多いので、酸性の土は石灰などをまいて中和しましょう。土の酸度を計るには、「酸度計」を使います。
  4. 土を耕す:耕すことによって空気を十分に含ませて、通気性をよくします。

土壌改良におすすめの季節と頻度

土壌改良をしないとどんな事が起こるのでしょうか?まず、水分が土の中に染み込みにくく、空気も土中に入っていけないので、植物の根が生育しにくく、植物全体の生育も悪くなります。水はけも悪いのでジメジメとした環境が長く続けば、根が酸素を吸うことができず腐ってしまうこともあります。また、せっかく肥料を与えても土の保肥力が低いと雨や水やりのたびに肥料分が流れ出てしまい、肥料の効果が出なくなってしまいます。さらに、土の中の栄養分の偏りや、土の中の善玉菌が減ったり、悪玉菌が増加することによって、植物の育ちが悪くなり、病原菌が発生しやすくなります。

土壌改良には特に決まった時期はありませんが、12~2月ごろの冬と8月ごろの夏、または植物を入れ替えるタイミングで、雑草の処理と同時に行うのがおすすめです。特に冬と夏がおすすめなのは、冬は寒さにより、夏は真夏の強い太陽の熱によって、土の中の病原菌や害虫も一緒に死滅させることができるからです。年に一度は土壌改良を行うようにしましょう。

良い作物には土壌改良が必須

実際に土壌改良を行ってみると、大変ですが楽しいと感じる人も多いでしょう。古い土をそのまま使って新しい作物を作ると、どうしてもできが悪くなります。たとえば、夏野菜を片付けて秋野菜や冬野菜を作る場合は、追肥をして土を耕しておきましょう。可能ならば、土をしばらく休ませてあげるとよいですね。

 

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