冬の補正散布をグリホサート系除草剤で徹底させよう

目次

グリホサート系除草剤の補正散布で雑草処理を徹底する

雑草が多く発生する場所では、散布ムラが起こるため、一度の農薬散布では雑草の効果的な防除が困難な場合が多々あります。また、雑草がだらだらと発生しやすい早期栽培や、難防除雑草が多発する条件では、一回のみの処理では十分な効果をあげられないことがあります。

除草剤散布後の効果が十分発揮されず、残草があった場合には補正散布が効果的です。ただし、1度目の散布から補正剤の散布は、10 日以上の間隔をあけることが望ましいとされています。散布ムラが見られる場所は、範囲が広くない場合は手作業での散布で除草残りが発生しないようにするとよいでしょう。

グリホサート系除草剤の効果は抜群

除草剤には成分により、大別して4種類のタイプがあります。目的や周囲への影響を考えて、散布者が目的によって使い分けます。

  1. パラコート系

この系統は、農業で使われる農薬・除草剤の中で最も毒性が強く、取り扱いには特に注意を要します。即効性があり、一晩でまるで溶けるように草が枯れます。残留性はなく、使用方法に注意すれば安心して使うことができます。毒劇物のため、インターネット通販での取扱いはありません。

  1. 土壌表面処理除草剤

こちらはあらかじめ畑に撒いておくことで、雑草の発生を予防する「雑草予防剤」です。草が生える前の土壌に散布することが前提です。

目的や周囲への影響を考えて使い分ける除草剤の種類は様々
  1. 選択制除草剤

こちらは主に稲や芝用であり、特定の植物にしか作用しないので、育てたい植物以外の雑草の除去に役立ちます。作用する植物としない植物をしっかりと確認して、間違いのないよう使いましょう。

  1. アミノ酸系除草剤

グリホサート系除草剤を含む、低毒性で環境に優しいと言われている除草剤です。根まで枯らす力があり、2回に分けての散布が一般的であると言われています。

グリホサート系除草剤の安全性

グリホサート系除草剤は、農水省登録を取得済みです。国が科学的データの裏付けで使用基準を定めていますので、人体や環境への安全性が確保されています。雑草の茎葉にかからずに土に落ちた成分は、土壌の粒子に吸着して表面近くに薬剤の層を作り、土中の雑草種子から伸び始めた芽などに作用して出てくる雑草を長く抑制します。そのため、植付けを予定している場所ではお使いいただけませんが、長く雑草の発生を抑えてくれます。やがて最終的には微生物により炭酸ガスなどに分解され、その後消失します。

グリホサート系除草剤の有効成分「グリホサート」は、もっとも単純なアミノ酸である「グリシン」と「リン酸」の誘導体です。グリホサート系除草剤は野生生物・鳥類・昆虫類にも極めて安全性が高く、世界の環境保護区や、世界遺産の保全に、広く利用されています。

グリホサート系除草剤の成分は、微生物により炭酸ガスなどに分解されて消える

補正散布に求められるムラなくグリホサート系除草剤をまく方法(噴射)

一般家庭用に販売されるグリホサート系の除草剤は、ジョウロで散布する方法が紹介されることが多くあります。しかし、実際にじょうろで散布すると、葉にしっかり散布しようとすると効率が悪いことに皆さん気づきます。グリホサート系除草剤は、葉から成分を吸収し、根まで枯らしますが、根からは成分が吸収されません。ですのでジョウロでは効率が悪い上、薬剤の無駄も多く、散布できる面積も限られてしまいます。噴霧器を使った方が無駄がなく広い面積に散布可能ですが、以下のことに十分気をつけるようにしましょう。

  • 保護メガネを着用する
  • 農薬用マスクを装着する
  • ゴム手袋など不透湿性の手袋を着用する
  • 長袖・長ズボン、可能であれば不信統制の防除衣を着用する
  • 使用後は露出していた部分をよく洗う
  • 周囲に人がいる場合には作業を中断する

また、大事に育てている草花や野菜にうっかりかかって枯らしてしまわないように気をつけましょう。雑草にだけ薬剤がかかるように気を付けてください。冬の雑草取りは、体が冷えてしまい風邪を引いたり、転んでケガをしやすくなります。防寒具を付けた温かい格好で臨み、暖かい部屋で休憩を挟みながら作業すると良いでしょう。

グリホサート系除草剤で翌年の草取り作業を軽減しよう

実は、秋や冬に生える雑草も多いことをご存じでしたか?それでも夏の雑草の最盛期に比べれば、冬は作業も簡単です。安全で手軽な除草を実現してくれるグリホサート系除草剤で、雑草の少ない秋冬のうちに駆除しておき、翌年の草取りを楽にしましょう。

 

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