バイオテクノロジー食品に対する選択と安全性の認識

目次

新しい食品というのは、長年に渡って食料品店やレストランを通して、私たちの生活に浸透してきました。遺伝子組み換え作物(GMO)を含むバイオテクノロジー食品は、20年以上も前から私たちの食卓にあり、その安全性は国内外の食品安全当局によって保証されています。

農家にとっての遺伝子組み換え作物

米国で入手可能な遺伝子組み換え作物は、大豆、フィールドコーン、スイートコーン、キャノーラ、綿実油生産用の綿花、アルファルファ、テンサイ、サマースカッシュ、パパイヤ、リンゴ、ジャガイモなどです。これらの作物は、安全性や栄養面では従来のものと変わりませんが、農家の側には大きな違いがあります。実はこれらの作物は、厳しい条件下でより効果的に成長し、農薬、水、エネルギーなどの投入が少なくて済むことが多いからです。このような事実はまだ一部にしか知られておらず、バイオテクノロジー食品の背景についてはこれからもっと知られる必要があるでしょう。そこで、米国でバイオテクノロジー食品がどのように受け止められているのか、最近の調査結果をご紹介します。

バイオテクノロジー食品 コーン
米国では遺伝子組み換えコーンが安全に売られている

食と健康に関する調査結果

2021年に行われた食と健康に関する調査では「食の選択とバイオテクノロジー食品に関する認識について」の質問がされました。調査対象者に、バイオテクノロジー食品または成分について知っているかどうか質問したところ、31%が「まあまあ知っている」または「知っている」と回答しました。しかし50%は「言葉は聞いたことがあるが、ほとんど知らない」と回答しています。バイオテクノロジー食品/成分について「何も知らない」と回答した消費者は、わずか19%でした。

買い物や食習慣への反映

調査回答者の80%以上がバイオテクノロジー食品や成分についてある程度知っていることがわかりましたが、このことが買い物や食習慣にどのように反映されているのでしょうか?このサブグループの40%は、バイオテクノロジー食品/原料を避けたり消費したりしようとはせず、ただ認識していると答えています。このグループのうち14%は、買い物時に全く考慮しないと答えました。しかし27%はバイオテクノロジー食品/原料を制限したり、避けたりする努力をしていると回答しています。

バイオテクノロジー食品はスーパーマーケットでも普通に売られている

もし他の特性があったら?

そこで、もしその食品に他の望ましい特性があった場合、これらの食品を避ける傾向が変わるかどうかについても聞いてみました。人を動かす可能性のある特性の上位3つは、次のような回答でした。

バイオテクノロジー食品が唯一の選択肢であった場合、48%が購入を検討すると回答しています。そしてもし「環境保全型」のラベルが貼られていれば、37%が「購入する」「購入を検討する」と回答しました。また「よりおいしかったら」36%が「購入を検討する」と回答しています。コストや利便性などの特徴は、回避への影響度は最も低いと言えそうです。

安全性の確保

米国食品医薬品局(FDA)、米国環境保護庁(EPA)、米国農務省(USDA)は連携して、バイオテクノロジー食品を含む食品システムの安全性の確保に取り組んでいます。これらの食品は規制・評価され、ヒト、植物、動物の健康にとって安全であると判断されています。しかしこれら管理機関の規制が、人々の認識に影響を及ぼしている可能性もあるようです。調査対象者に「米国の食糧供給の安全性にどの程度自信がありますか」と尋ねたところ、68%が「とても自信がある」または「やや自信がある」と回答しており、これは2020年においても同様でした。

バイオテクノロジー食品 野菜
米国では食糧供給の安全性に自信のある消費者が多い

最も重要な食品安全問題

消費者の認識と選択に影響を与える食品安全に関する懸念事項の中で、バイオテクノロジー食品がどのように位置づけられるかを知るために、調査対象者に10の候補事項から最も重要な食品安全問題の上位3つを順位付けしてもらったところ、「非常に重要である」「やや重要である」の2択となりました。過去数年間に見られたように、上位3つの問題には「細菌による食中毒」、「食品中の化学物質」、「食品中の発がん性物質/がんの原因となる化学物質」が含まれていました。「バイオエンジニアリングされた食品やバイオエンジニアリングされた成分を含む食品」は9位で、この選択肢をトップ3に入れたのは17%にとどまりました。

これらの調査により、米国では多くの人がバイオテクノロジー食品を積極的に避けてはいないことがわかりました。しかし、これからもっと知られる必要があることも示しているでしょう。

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