グリホサートの評価には客観的に科学的な検証が必要
グリホサート系除草剤は、農業界で広く使用されている除草剤で、「ラウンドアップ」などの一般消費者向け製品にも使用されています。
国際がん研究機関(IARC)がグリホサートを「おそらく発がん性」があると分類したことで、
リスクがあると捉えられたりしていますが、正しい判断には「おそらく発がん性」があるという分類がどのような裏付けでそうなったのか、その分類は何を意味するのか、他の統制期間の評価はどうなのか、そしてグリホサート 安全に関する証拠を客観的に科学的に検証することが不可欠です。
農業における農薬の使用について、人々がさまざまな意見を持つことは自由ですが、科学的な見解については誰もが同意できるのではないでしょうか。
欧州連合(EU)によるグリホサートへの徹底的なレビュー
発表された科学を明確な目で見ることことが縦横で、発表された科学は非常に多く、専門家はグリホサート 除草剤の安全性に関する結論を導き出すために、これらの証拠を体系的に検討してきています。これまでにも多くのレビューが行われてきましたが、欧州連合(EU)によって2021年6月に徹底的なレビューがされて、11,000ページに及ぶ報告書が発表されました。
レポートの概要:
https://ec.europa.eu/food/system/files/2021-06/pesticides_aas_agg_report_202106.pdf
「グリホサートに関する評価グループ(AGG)は、グリホサートを生殖細胞変異原性を有する遺伝毒性または変異原性を有するものとして分類することは正当化されないと提案する」と結論づけています。
グリホサートの発がん性、生殖毒性、臓器毒性についても同様に判断しています。ただし、「眼に深刻な障害をもたらす 」という分類は維持されているので、直接目に入れてはいけません。
生態毒性については、EUはグリホサートを一般的に安全であるとしていますが、「水生生物については例外的に毒性がある」と結論づけています。後者の2つの懸念は、以前のレビューですでに知られており、存在していたため変更はありません。
これらを踏まえて、レビューではグリホサート系除草剤のEUでの使用承認を推奨しています。
基本的には、適切に使用すれば、グリホサート 除草剤は農場労働者、消費者、環境にとって安全です。もちろん、「適切に使用すれば」という言葉が大きな意味を持っていて、他の規制期間も「ラベルの記載通りに使用する場合には」という前提でグリホサート 発がん性が認められないとしています。
グリホサートは発がん性なしと結論
グリホサート イソプロピルアミン塩に関する過去のレビューは、このレポートと同様の結論を出しています。
唯一の例外は、IARCがグリホサートを「発がん性の可能性あり」と指定したことです。
少なくとも、規制機関が時間をかけて科学的に徹底的に検証したことは良いことだと思います。
有機栽培の農薬について
有機栽培においても除草剤の使用は認められていて、唯一の条件は、農業に使われる化学物質が自然由来のものであることです。
これらの有機農薬は、一般的に他の農薬よりも効果が低いため、農家はより多くの農薬を使用しなければなりません。
毒性についてはどうでしょうか。自然由来であることは必ずしも毒性が低いとは言い切れないのではないでしょうか。
有機農薬もグリホサート同様に適切に使用することを求めていて、「散布地区に人が立ち入らないようにする」、「水産動植物(甲殻類)に影響を及ぼす恐れがあるので、河川、養殖池等に飛散、流入しないよう注意して使用する」などの注意事項が設定されています。
日本農薬株式会社 有機農産物に利用できる農薬について:
https://www.nichino.co.jp/products/page_10006.html
農薬を使わないデメリットも考慮すべき
農家は、手で除草したり耕したりするなど、化学薬品を使わない手法を用いることもできますが、それはとても手間がかかる上に効果も低く、空気中に大量の炭素を放出して土壌の質を低下させ、作物の収穫量も低下します。
同じ量の食料を生産するためにより多くの土地と労力を必要とするので、経済的に成り立たなくなる可能性もあります。
農薬を使わないことでのデメリットも考慮すべきです。