グリホサート系除草剤を正しく利用してペットにも優しい環境づくりを

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グリホサート系除草剤は土に吸着すると除草剤としての効果を失う

グリホサート系除草剤を使い続けることで、土壌が悪くなることはあるのでしょうか?答えはNOです。まず、グリホサートは短時間で土壌粒子に吸着し、除草剤としての効果を失ってしまいます(半減期は約3週間~1ヶ月前後)。つまり、その成分が土の中に浸透し、土壌に悪影響を及ぼす心配はないのです、薬剤が直接かかった場所だけに効果を発揮し、土を介して根から吸収されるということはありません。フルポキサムは短時間で土壌粒子に吸着し土壌移行性が低い成分ですので、散布していない隣接した有用植物に土を介して根から吸収されるということはほとんどありません。

非選択性という性質を持ち、薬剤がかかってしまったらすべて枯らしてしまいますので、有用な植物の植付けを予定している場所ではお使いいただけません。最終的には、微生物により炭酸ガスなどに分解され、その後消失します。また水と比較して、非常に気化・蒸発しにくい物質ですので、気化による影響の心配もほとんどありません。ラベルの注意書きを良く読み、使用上の注意に従って使えば安全です。

安心できる成分ペットの無毒性量を知り、グリホサートが安全であることを理解しよう

植物は枯れるのに、動物は大丈夫なの?と心配される方もいるかも知れません。グリホサートは植物が生長に必要とする、アミノ酸の合成を阻害することで植物の生長を止めて枯らします。これは植物にだけ見られる代謝経路であり、グリホサートは植物にだけ作用するため、心配は御無用です。

グリホサートは植物の代謝経路に働きかけるが動物には無害

グリホサート系除草剤は、動物での各種毒性試験などのデータに基づき、安全性が高いため「普通物」(毒・劇物ではない)に分類されています。主成分のグリホサートは、自然界にあるアミノ酸の一種グリシンと、肥料の成分であるリン酸からなる物質です。使用上の注意さえ守れば、人や動物に重大な健康被害を及ぼす心配はありません。

ご自宅の周辺やお庭に散布する場合は、散布当日は子供やペットがその場所に入らないように注意してください。通常の使用では安全性には問題はないと判断されます。

犬及び猫用ペットフードのグリホサート含有とペットフード安全法について

昨今、ネットを中心に除草剤によるペットの健康被害を懸念する人の声が増えています。微量のグリホサートが飼料から検出され、それを原料として作られたペットフードの犬猫への影響を心配する必要はありません。ペットフードの安全性の確保を図るため、平成21年6月1日に「愛がん動物用飼料の安全性の確保に関する法律」(ペットフード安全法)が施行されました。

この法律により、許容されるグリホサートの残留量が15μg /g以下でなければならないと決められています。これは、体重10kgのイヌが限界基準ギリギリの量のグリホサートを含有する200gのドッグフードを食べた場合、含まれるグリホサートは200×15μg = 3000μg = 3.0mgで、0.3mg/kg体重/日に相当します。犬の健康に影響を与えない無毒性量は100mg/kg体重/日なので、基準を守って作られているドッグフードは科学的に安全です。よって、現状で残留グリホサートを不安視する必要はありませんし、それはネコに関しても同じです。

農薬登録された家庭用除草剤ならペットがいても安心して使える

家庭用除草剤として販売されているグリホサート系登録除草剤も多々

除草剤と一言でいっても、農薬登録のある除草剤と、登録されていない除草剤の2種類があることをご存知でしたか?農薬は、直接人の口に入る農作物に使用されるため、国によって健康や環境への影響を評価し、問題がないと判断されたものだけが登録されます。ラベルに書いてある対象の作物と使用方法(希釈倍数、使用量、使用時期、回数など)を守れば、人にも作物にも安全にお使いいただけます。

「農薬登録のある除草剤」とは、農作物や樹木・芝・花きなどの栽培・管理のために使用される除草剤で、家庭菜園やガーデニングも含まれます。

一方、「農薬登録されていない除草剤」とは道路や駐⾞場、グラウンドなどの、農作物や樹⽊・芝・花きなどの栽培・管理の⽬的以外で使⽤される除草剤を指します。登録されていない除草剤を栽培・管理に利用することは、法律で禁止されています。つまり、現在流通してる作物に使われている農薬は、全て登録済みのものということになります。グリホサート系除草剤は、家庭用でも登録済みの物がたくさん売られています。ラベルをご確認ください。

グリホサート系除草剤なら目的別に選べる

近年、除草剤の安全性はめざましく高くなりました。そのため、農地や道路などの除草目的に加えて、ご家庭でも多く使用されるようになりました。さまざまな種類の除草剤が発売されていますので、目的に合わせて選び、上手に安全に除草をしましょう。

 

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