梅雨でも夏でもマスクは必要?マスク着用に関する政府の見解は
長引くコロナ禍で、マスクを着用することが当たり前になってきました。しかし、海外ではマスク着用義務が解除された国もたくさんあります。これから梅雨時期に入り、その後すぐ夏を迎える日本。マスクをしたままでは熱中症などのリスクが高まります。果たして梅雨の時期や夏でも、マスクは着用するべきなのでしょうか?
先日、今後のマスク着用基準について、政府から見解が示されました。どのような場面であればマスクを外していいかという見解になります。
◯屋外で周囲と2メートル以上の距離が確保できる(会話があってもなくてもマスク不要)。例えば、ランニングや通勤、密にならない外遊びなど。
◯屋内でも周囲と2メートル以上の距離が確保できる(会話がほとんどない場合)。例えば、図書館や空いている美術館など。
屋外では、ガーデニングや森林浴なども当てはまるでしょう。夏に向けて、マスクを外してアクティブに趣味を楽しめそうです。
反対に、政府がマスク着用を推奨するのは、通勤電車や映画館などが挙げられます。屋内で距離を確保できても会話をする場合と、屋外で距離が確保できずに会話する場合も同様です。
政府は、日常の社会活動の正常化と感染対策のマスク着用は両立できるとしています。そのため、今後も基本的な感染対策としてのマスク着用の位置づけは変更しないそうです。
気になる子供のマスク事情
以前から、マスク着用による子供への影響が心配されていました。1つは、マスクで表情が見えないことによる情緒的な影響です。特に未就学児童や小学校低学年児童にとっては、将来問題になる可能性があると言われています。もう1つは、学校の体育の授業についてです。「マスクをつけたまま運動するのは危険」という意見もあり、外遊びや運動中のマスクが懸念されて来ました。
これから梅雨と夏を迎えるにあたり、熱中症の危険もつきまといます。文部科学省はこれらを踏まえ、体育の授業ではマスク着用は必要ないとの見解を示しました。体育の授業というのは屋外だけでなく、体育館やプールも対象です。部活動に関しても、体育の授業に準じてマスク着用は必要ないとしています。
子供たちの登下校でも、マスクを外して熱中症対策を優先するよう求めています。また、2歳以上の未就学児に関しては、マスクの着用を一律には求めないとのことです。
街の人々はマスクを外すのか?
政府のマスクに関する見解を受け、一般の人々はマスクを外すのでしょうか?ある調査では「マスクを今後も着用し続ける」と回答した人が9割に上りました。このことから、政府の見解がそこまで実効性を持っていないことがわかります。
「マスクを外せるタイミングはいつか」という質問に対しての回答は「特効薬が出来てから」が最多でした。その次は「感染者が一定数減ったら」というものです。
また、特にマスクを外すことに否定的だったのは50代で、その次が40代でした。このことから、年齢が上がるほどマスク着用の必要性を感じていることがわかります。
観光地でのマスク着用は?
人が多く集まる観光地ではどうでしょうか?金沢の観光地では、政府の公表の後でも、変わらずマスクをしている人がほとんどでした。観光客の多い熱海市でも、同様にほとんどの人がマスクを外していません。屋外のマスクは不要のはずですが、観光地で散策を楽しむほとんどの人はマスクをしたままだったのです。
なぜ政府が「マスク不要」と定めた状況でも、人々はマスクを外さないのでしょうか?「感染がゼロになるまでマスクを着ける」「政府が完全に外していいというまで着ける」などの意見もありました。
人々がマスクを外せない本当の理由
日本人はマスクを外すことにとても慎重です。それは、感染対策としての側面ももちろんあるでしょう。しかし、日本人の「人の目を気にする」という国民性が影響していることも否定できません。そもそも日本はマスク着用は義務ではなく、推奨です。
「マスク非着用の人の印象」という調査で、6割の人が良くない印象を持つことがわかりました。見かけたら「必要なこと以外関わらない」という人が半数を占めます。また「着用を促す」「腹が立つ」などの意見もあり、強い同調圧力が働いていることがわかります。
このように、マスクを着用しないと周囲に白い目で見られるというのが現状です。また、子供たちはもう2年以上、友達の素顔を見ていません。そのため「今さら外すのが恥ずかしい」という感情も湧いているようです。女性の意見には「メイクしなくて済むからマスクの方がラク」というものもありました。
日本では、実際に人々がマスクを外すようになるまでには、まだしばらく時間がかかりそうです。