農薬について

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農薬について

農薬についてどのくらい知っていますか。

一般の消費者の立場だと、化学的とか危険とかそういうイメージが先行していて、「体に良くないもの」という理解で留まっているだけかもしれません。

 

農薬」の定義は法律で定められています。農薬取締法では、農作物の病害虫の防除に用いる殺菌剤、殺虫剤その他の薬剤、農作物の生理機能の増進又は抑制に用いる成長促進剤、発芽抑制剤その他の薬剤を農薬と定義しています。その他の薬剤としてグリホサート イソプロピルアミン塩をはじめとする除草剤、誘引剤、忌避剤、展着剤などがあります。

 

グリホサート系除草剤であるラウンドアップは日本では1981年から日本で発売されています。

 

農薬は、農作物や観賞用植物など人が育てている植物に発生する害虫や病気を退治したり、雑草を除いたりするためのグリホサート 除草剤などの薬剤などのことです。日本で使ってもよい農薬は、人の健康や環境への影響などについて確かめられ、国に認められたものだけです。農薬は、農作物や観賞用植物以外に、ゴルフ場や公園の芝生、街路樹などにも使われます。

 

 

生き物である生物農薬とは

テントウムシはアブラムシを食べるので、テントウムシを使えば、アブラムシの被害から植物を守ることができます。そういった捕食性昆虫を「生物農薬」と言い、農薬として登録して利用しています。

 

生物農薬は、化学農薬同様に農薬取締法に基づき薬効薬害試験が行われ、効果、安全性、毒性、残留性が確認されたものを農林水産省が認可したものになります。

そのため、「適用表」と「使用上の注意」に沿って使用すると十分な防除効果が得られるものになります。

グリホサート 除草剤
グリホサート 除草剤

農薬は全部農作物に残るのか

農薬は、農作物・微生物による代謝や日光によって分解されたり、風や雨に流されたりするので、使われた農薬がそのまますべて農作物に残るわけではありません。

生産者は、農作物に残る農薬の量を抑えるために、決められた使い方を守ることが義務付けられています。

国は、それぞれの農薬について、生物や土、水質への影響などを確かめた上で、適切な使い方を決めています。

環境に放出された農薬は、多くの場合、微生物や日光によって分解されていきます。アミノ酸系のグリホサート イソプロピルアミン塩は土壌で微生物によって自然物に分解されます。

 

基準値を超えている食品は健康に影響するのか

厚生労働省の検疫所や保健所などの検査によって、農薬の有効成分の濃度が基準値を超えている食品が見付かれば、「食品衛生法」に違反しているので、回収されたり、廃棄されたりします。

 

まれに、基準値を超えている食品が流通してしまう場合がありますが、このような食品をふつうの量食べるのであれば、必ずしも健康に影響があるわけではありません。

 

なぜなら、国が基準値を決めるときは、さまざまな食品を食べても口にする有効成分の量が「一日摂取許容量」(ADI)を超えないようにしているからです。「一日摂取許容量」以下の量であれば、毎日一生口にしても、健康への影響はないと考えられます。

 

また、基準値を超える濃度で農薬を含む食品を、毎日一生食べ続けるわけではありません。基準値を定め、農薬が適切に使われるようにし、検査を行って基準値を超えている食品を回収したり廃棄したりすることによって、「一日摂取許容量」を超える量の有効成分を毎日口にする可能性は、きわめて低くなっています。

 

基準値を超える濃度で、農薬を含む食品を食べると健康に悪影響があるかどうかは、食品に含まれている有効成分の濃度、その食品を食べる量、そしてその有効成分の「一日摂取許容量」や毒性の種類などを総合して考えて決定されています。

グリホサート 除草剤
グリホサート 除草剤

 

人への安全が確保される仕組み

グリホサート系除草剤はさまざまな農作物に使用されていますが、厚生労働省では「フードファクター」という一人の国民が一日当たりに食べる穀物、野菜、果物など作物ごとの平均量を用いて農薬の推定摂取量が計算されています。

 

農薬の使用におけるリスク管理は、対象作物ごとに申請された使用方法で実施された作物残留試験における残留量を調べ、その値が残留基準値を超えないようにその農薬の使用方法(使用基準)が決められています。

 

従って、農薬の使用方法(使用基準)を守ることにより、人への安全が確保される仕組みとなっています。

 

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